「脱ハンコ」税務書類押印の廃止

令和3年度税制改正大綱により、4月1日以降に提出する税務関係書類について原則押印義務が廃止となりました。行政手続きのデジタル化の一環ですが、新型コロナの影響が大きく後押しした形です。確定申告や法定調書、個人事業の開業・廃業等届書など国税、地方税の税務関係書類のほとんどで押印が不要となります。
また、事業者が1つのアカウントで複数の行政サービスを利用できる「GビズID」というシステムの運用も始まっています。

注意点
相続税や贈与税に関する書類等、これまで実印による押印・印鑑証明書の添付が求められていたものは対象外です。

国税庁HP 「税務署窓口における押印の取扱いについて」より
押印が存続される書類

(1)  担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類
(2)  相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類
・遺産分割協議の内容は相続税の計算に直接影響することから、その内容が全員の真意に基づき成立したものであることを担保する措置が必要なため押印が存続されます。

同じ土地でも価格は5つ “一物五価”とは?

土地の価格には土地(1物)に対して5種類の価格(5価)が存在しています。実際の取引価格のほか、「公示地価」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」の4つの公的価格があります。それぞれどんな違いがあるのでしょうか。

  1. 実勢価格 実際に取引された土地の価格
    土地の売却や購入を検討する際の地価の目安となります。
      
  2. 公示地価(公示価格) 国が公表する土地の目安価格
    国土交通省が都市計画区域内の標準地として選定した土地の1月1日時点の価格で、毎年3月に公表されます。実勢価格に近い土地の目安価格となり、一般の土地取引の目安や、公共用地の取得価格算定の基準とされます。企業会計での資産の時価評価にも活用されます。
      
  3. 基準地価 都道府県が調査した土地の目安価格
    都道府県が選定した基準地の7月1日時点の価格で毎年9月に公表されます。都市郊外の土地も含まれ公示価格とともに実勢価格に近い土地価格の目安とされます。
      
  4. 路線価 国税庁が調査した土地価格
    主要路線(道路)に面した宅地の1月1日時点の評価額で毎年7月に公表されます。売買実例、公示地価、不動産鑑定士等による鑑定評価額などをもとに評定します。相続税・贈与税の目安となる土地の価格で宅地の評価についてはその年の1月1日時点の路線価が適用されます。 路線価は公示価格の80%の水準で決められています。
      
  5. 固定資産税評価額 市区町村が不動産ごとに算出する価格
    市区町村が基準年度の前年1月1日を評価時点とし3年毎に公示地価や不動産鑑定評価額の70%を目途に算定します。固定資産税算定の基準となります。

新型コロナの影響は?
 今年1月1日時点の公示地価や路線価には新型コロナの影響による地価の下落が反映されていません。来年度(令和3年)からの固定資産税評価額は今年1月1日現在の公示地価等をもとに評価替えとなりますが、7月1日時点の下落した地価に合わせて評価額を修正したうえで、さらに今年度と比べて増税となる土地についても、1年限りの特例で税額を据え置くこととし、すべての土地で増税負担が回避されるようです。税額が減るケースは、そのまま少ない税額が適用されます。

コロナ渦の助成金や給付金に税金はかかる?

新型コロナウイルス感染症拡大影響を受け、国や地方自治体から持続化給付金や雇用調整助成金、特別定額給付金など様々な助成金や給付金などが支給されています。これらの助成金等について、課税の対象となるのでしょうか。

●原則、法人税が課税される
法人が受け取った助成金等(雇用調整助成金や地方自治体独自の休業協力金など)は課税対象として雑収入に計上します。(ただし消費税は課税されない)

●「持続可給付金」法人・個人にかかわらず課税対象
税務上、法人は雑収入、個人事業者は事業所得等になります。ただし現在の売上が激減している経営環境においては、経費などの損金の方が多いと考えられるため影響は小さいと思われます。

●個人が受け取る助成金等は課税・非課税のものがある
非課税になるもの 支給の根拠となる法令等の規定による
・特別定額給付金 ・子育て世帯への臨時特別給付金

課税対象になるもの
①事業所得等になるもの
持続化給付金や雇用調整助成金、小学校休業等対応助成金、東京都の感染拡大防止協力金などのように、事業者の収入が減少したことに対する補償や、支払賃金などの必要経費に算入すべき支出の補填を目的として支給される助成金等
②一時所得になるもの
すまい給付金や地域振興券などのように臨時的に一定の所得水準以下の人に対して支給されるなど、事業に関連しないもので一時に支給されるもの
③雑所得になるもの
事業所得等や一時所得に該当しない助成金等

収益計上のタイミング
 助成金等の多くは申請から支給決定、実際の入金まで時間を要します。助成金等の収益を計上する時期は実際に入金された日ではなく、支給決定通知書が事業者に到着したときになります。実際の入金が決算期をまたぐ場合には、期末に「未収入金」として計上することになりますので注意が必要です。